#4 「PUYO-Swarovski」サウンドinter-noise 2013, インスブルック, オーストリア

始まりは2011年。ある日産のエンジニアの方から、Inter-noise 2011大阪での特別セッションに招かれたのがきっかけでした。その時すでに私は、2010年JSAE春季大会で電気自動車サウンド、いわゆるAVAS 車両接近通報音について発表しており、その実績が今回の機会へとつながっていくわけでした。

そのセッションはプログラムに載っていない「秘密のディスカッション」でした。そこで
HEAD acoustic創設者のクラウス・ゲヌイト教授と出会い、リーディングサウンドデザ
イナーの一人として認めていただいたのです。それ以来、公のセッションにもたびたびご
招待いただきました。

私は電気自動車の音には従来のエンジンサウンドとは異なる、まったく新しい手法が必要だと強く感じていました。EVの音は人工的かつ追加的なものであり、従来のエンジン音処理を再構築・再解釈する必要があるからです。言い換えれば、無限の可能性があるとも言えます。そこで私が考案したのがEVSP Electric Vehicle Signal Processing手法であり、エンジン回転数に応じた周波数動特性を基盤としています。

さらに私は、この時のプレゼンテーションで、論文には書いていない二つのアイデアも準備しました。一つは、距離知覚。F1のように、クルマが近づく音は人間にとって距離を認識する重要な手がかりとなります。もう一つは、2013年インスブルック大会のための特別なサウンドデザインです。インスブルックは宝飾品メーカーのスワロフスキーで有名な街であり、私は以前ホンダのコンセプトカーPUYOの音をデザインした経験をもとに、PUYOの「スワロフスキー版」サウンドを制作しました。その響きはクリスタルのように透明で独特なものに仕上げました。

私をサウンドデザイナーとして認め、その後の学会発表に招いて下さったクラウス・ゲヌイト教授に心から感謝いたします。

Yokohama Institute of Acoustics
EVサウンドデザインサウンドデザイン学会・国際会議